×

ニュース

核廃絶「思い強まる」 チリ大統領 広島訪問

 チリのピニェラ大統領が29日、大阪市であった20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席後、広島市中区の平和記念公園を初めて訪れた。原爆慰霊碑に花輪をささげ、原爆資料館を見学。「実際に見ることで、核兵器廃絶に取り組まなければならないとの思いが強まった」と語った。

 慰霊碑への献花の後、滝川卓男館長の案内で資料館を巡った。被爆の惨状を記録した写真に見入り、「なぜ広島に原爆が落とされたのか」など積極的に質問を重ねた。記帳では「広島、長崎の犠牲者に敬意を払う最良の方法である核兵器のない世界の実現を願う」と書き込んだ。

 松井一実市長とも面会。米国とイラン、北朝鮮との軍事的緊張に懸念を示し、出身のサンティアゴ市が平和首長会議に加わるよう働き掛ける考えも伝えた。

 ピニェラ大統領は、28日からのG20サミットに招待国として参加。広島、長崎両市長の要請に応じてサミット終了後に広島市を訪問した。この日、帰国の途に就いた。(秋吉正哉)

(2019年6月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ