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被爆朗読劇 有終の年に 女性俳優グループ「夏の会」 活動30年余

 今年で30年余りの活動に幕を下ろす、女性俳優グループ「夏の会」(中村たつ代表、16人)による被爆手記の朗読劇「夏の雲は忘れない」の広島公演が1日、広島市中区の広島国際会議場で始まった。全国ツアーの一環で広島、三次の両市で5日まで公演に臨み、平和への祈りを語りに込める。

 初日は、広島市内の小・中学5校から約1200人が観劇。夏の会から高田敏江さん、山口果林さんたち6人が、被爆者の手記や峠三吉の詩などを朗読し、原爆の悲惨さを訴えた。安佐南区の高取北中の6人も子ども役で出演した。

 夏の会は、1985年から原爆朗読劇を続けた「地人会」を受け継ぎ2008年に結成。10年には谷本清平和賞を受賞した。今回の全国ツアーを最後に、メンバーの高齢化で活動を終了する。

 終演後、高田さんは生徒との交流会で「広島公演には特別な思いがある。(夏の会から)バトンを引き継いで被爆体験を伝えてください」と語りかけた。

 5日の三次公演のみチケット販売中。三次市民ホールで午後2時開演。一般2千円、学生千円。☎0824(62)2222。(西村文)

(2019年7月2日朝刊掲載)

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