×

ニュース

福島の定住や雇用は 西区で講演会 避難者 帰郷に戸惑い

 福島第1原発事故から逃れ県内で避難生活を続ける家族の帰郷を支える無料講演会の最終回が20日、広島市の西区民文化センターであった。復興に向かう古里の現状を学んだいまも、放射能汚染や生活再建への不安が根強く、戸惑う避難者の姿もある。

 この日は復興庁参事官補佐の西田紫郎氏が、子どもが運動できる環境をつくって定住を促す国の新事業や除染の状況を説明した。関心の高い雇用面では「建設業の求人は多いが、未経験者の就職が難しくミスマッチが起きている」と課題も明かした。

 集まった避難者たち約20人からは「給食の安全性が心配」「原発は最近も停電した。まず安定化を」との声が上がった。

 講演会は、中区のNPO法人ピースビルダーズが1月から、全4回開いた。同法人職員で、福島市から西区に避難している菅野佐知子さん(40)は「自分もまだ迷っている。どう生きるかを考えるため今後も、意見交換や情報収集を続けたい」と話していた。(野田華奈子)

(2013年3月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ