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　全国知事会の山田啓二会長（京都府知事）は２１日、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。山田会長は、環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉と米軍の垂直離着陸輸送機ＭＶ２２オスプレイの低空飛行訓練に関し、地方自治体へ十分な情報提供と説明をするよう要請した。

　安倍首相は、ＴＰＰについて「農林水産業は万一にも崩れないよう対応する」と強調。また、オスプレイについては「米軍側に（訓練の情報提供を）要請している」と述べ、関係自治体と緊密に連携する考えを示した。

　要請文は、ＴＰＰでは、協議内容などの情報公開▽農林水産業の再生、強化に向けた対策の明確化と安定財源の確保▽国民合意を得た上での参加判断―の３項目。オスプレイでは、１９日に関係自治体に事前連絡がない中で訓練があったことなどを踏まえ、飛行実態の把握と開示などを求めた。

　山田会長は面会後、「地方にとって農業は生活そのもの。地方側に広がる懸念を払拭（ふっしょく）する中でＴＰＰに対応してほしい」と話した。（城戸収）

≪要請のポイント≫

・環太平洋連携協定（ＴＰＰ）について国民への十分な情報提供と明確な説明
・農林水産業の再生・強化に向けた対策
・協定参加は地方の意見を十分に聞き、国民合意を得た上で判断
・オスプレイの訓練飛行は日米合意事項を順守。飛行実態を開示し自治体、住民の理解を得る

（２０１３年３月２２日朝刊掲載）