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被爆の実態「伝える」 大林監督、資料館を訪問

 尾道市出身の映画監督大林宣彦さん(81)が26日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。原爆資料館を見学するなどし、「核兵器は決して使ってはならないと、皆が自分自身に約束してほしい」と述べた。27日に市内である核兵器廃絶を考える国際平和シンポジウムに参加する。

 大林さんはほかの出演者4人と一緒に原爆慰霊碑へ花を手向けた。原爆資料館では、加藤秀一副館長の案内で壊滅した広島市街の様子を伝えるCGなどを見て回り、動員学徒が身に着けていた衣服などの遺品に手を合わせていた。

 がん闘病中の大林さんは戦争と原爆をテーマにした映画「海辺の映画館―キネマの玉手箱―」を製作中。見学後、報道陣の取材に対し、「被爆の実態を伝えるために私はいる。映画で過去は変えられないが、未来は変えられるかもしれない」と話した。

 広島国際会議場であるシンポは事前申し込み制。大林さんは「平和の砦(とりで)を築きましょう」をテーマに、尾道市因島出身の俳優東ちづるさん(59)と対談する。(江川裕介)

(2019年7月27日朝刊掲載)

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