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あの日 次代へつなぐ 8・6特番

RCC 91歳祖母から体験聞く TSS ドーム 通称になるまで

 原爆の惨劇から74年の夏を迎え、広島県内のテレビとラジオ各局は特別番組で「8月6日」を発信する。今年リニューアルオープンした原爆資料館、次世代や外国人への体験継承などをテーマにした番組が目立つ。(西村文)

■テレビ

 NHK広島放送局は8月6日午後10時からNHKスペシャル「被爆者たちの“ラストメッセージ”~生まれ変わる広島原爆資料館」を放送。リニューアルした原爆資料館で、新たに展示された遺品に秘められたエピソードや証言、リニューアルの経過を記した未公開資料から、被爆者や遺族が託した思いに迫る。

 RCCテレビは4日午後2時から、中根夕希アナウンサーが91歳の祖母から初めて体験を聞く「おばあちゃんから私へ~あの日のヒロシマを辿(たど)る」。6日午前10時35分からの「言伝(ことづて)~広島を生きた母」では、原爆で夫や子どもを失った女性が戦後を生き抜いた姿を、家族の証言や手記などを基に伝える。ナレーションは広島市出身の俳優戸田菜穂。

 テレビ新広島は6日午前9時50分から「原爆ドーム~その名に遺(のこ)されたもの」で、原爆ドームという通称が生まれた経緯を調査。収集した資料や被爆者500人のアンケートから、新事実が浮かび上がる。

 広島ホームテレビは6日午前9時55分から「私は何者なのか~名前も奪われた原爆孤児」。原爆孤児の田中正夫さん(78)が、かすかな記憶を頼りに家族の手掛かりを探す姿を追う。

 広島テレビは5日午前0時55分(4日深夜)からNNNドキュメント「原爆の絵~高校生が描く“ヒロシマ”」を放送。被爆者から聞いた体験談を生徒が絵にしている、基町高の取り組みに迫る。6日午前8時からの「つなぐヒロシマ」にはジャーナリストの池上彰さんがゲスト出演し、リニューアルした原爆資料館を取材する。

■ラジオ

 RCCラジオは6日正午から「おひるーな特別編 戦後74年 海をわたるヒロシマ」(仮)で、広島の移民の歴史を取り上げ、日系在外被爆者の問題を考える。

 NHKラジオ第1は5日午後10時5分から「“ヒロシマ”を語るお好み焼き店」を放送。グアテマラ出身のお好み焼き店経営フェルナンド・ロペズさん(56)たちが、外国人観光客にヒロシマを正しく伝えたいと模索する日々を追う。

 広島エフエムは11日午後7時からラジオドラマ「桜隊とマリーゴールド~広島で散った夢と恋と、私」。原爆で全滅した移動演劇隊「桜隊」を題材に、74年前と現在がシンクロするオリジナルストーリーを届ける。脚本は今年の広島本大賞を受賞した作家の清水浩司さん。

(2019年7月27日朝刊掲載)

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