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被爆遺構展示 国が補助 最終調整 首相、広島で説明

 広島市中区の平和記念公園の地下に残る、米国の原爆で壊滅した旧中島地区の街遺構を展示公開する市の事業に対し、政府が事業費を補助する方向で最終調整に入ったことが27日、分かった。「原爆の日」の8月6日、安倍晋三首相が広島で被爆者団体と面会する場で説明するとみられる。

 市は、かつて民家や商家が軒を連ねていた旧中島地区一帯の被爆前の暮らしと原爆投下による壊滅を伝えようと、被爆遺構の展示整備を計画。2020年度の公開を目指し、ことし5月から原爆資料館東館の北側で整備に向けた発掘を進める。畳や床板が焼け落ちて炭化したとみられるイ草や板材の焼け跡、倒壊した土壁の跡とみられる遺構を確認している。

 政府は16年度から広島、長崎両市による被爆建物の保存事業の支援を始めた。関係者によると、広島市は、旧中島地区の地下遺構にも補助を適用するよう要請。政府が対応を検討していた。

 政府は広島、長崎両市が20年に計画する被爆75年事業への補助も検討しているという。東京五輪・パラリンピックの期間中に東京都内で開く原爆展や、広島で企画される国際シンポジウムなどが含まれる。事業費補助は、両被爆地の首長や議長でつくる広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会(八者協)が要望していた。(田中美千子、水川恭輔)

(2019年7月28日朝刊掲載)

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