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「原発も核もない社会を」 福島 原水禁世界大会開幕

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会が27日、福島市での福島大会で開幕した。東京電力福島第1原発事故から8年たっても、避難生活を送る多くの被災者の苦渋は計り知れないとして、原発も核兵器もない平和な社会の実現を目指すアピール文を採択した。

 約620人が参加した。主催する実行委員会の則松佳子副委員長は「核兵器禁止条約の取り組みの先頭に立つべき日本政府が反対しているのが悲しい」とあいさつ。地元の団体を代表して、福島県平和フォーラムの角田政志代表は「原発のない福島の実現に向け、東電の福島第2原発の廃炉表明は大きな一歩だ」と力を込めた。

 核兵器廃絶を世界に訴える福島県内の高校生平和大使も登壇した。いわき市のいわき秀英高2年斉藤帆香さん(16)は「広島、長崎の原爆投下で何十万人もの尊い命が犠牲になった。同じような悲劇が繰り返されないでほしい」と強調。郡山市の日本大学東北高2年赤沼優希さん(17)は「福島の現実を世界に発信していきたい」と誓った。

 被災者の生活再建や健康について考えるシンポジウムなどもあった。世界大会は広島、長崎の両市に会場を移し、8月4~9日に開く。一方、日本原水協などの世界大会は同3~9日に広島、長崎両市である。(河野揚)

(2019年7月28日朝刊掲載)

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