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核被害国の役割とは カザフ元留学生と日本の学生ら意見交換

発信や人材育成で提言

 東区の区民文化センターでは、旧ソ連が核実験を繰り返したカザフスタン出身の元留学生2人と、日本の若者たち3人が意見交換するシンポジウムがあった。核被害に遭った国同士、次世代が核のない世界をどう構築するかを語り合った。(加納亜弥)

 山陽女学園高等部(廿日市市)に留学した経験のある日本語通訳のヌルダナ・アディルハノワさん(24)は、カザフと広島の草の根交流に触れ「一人一人の行動の積み重ねが世界を変える」と強調。核実験の影響で白血病となった伯母を失ったアイダナ・アシクパエワさん(25)は「核被害をもっと学び、知識を同世代に広めるべきだ」と話した。

 日本側からは、カザフ国立大に留学した高知大3年井上日南子さん(22)が現地の生活を報告。現地でスタディーツアーをしたNPO法人職員の渡部久仁子さん(38)と、団体職員広目千恵美さん(34)は「人を巻き込みながら関心を持つ人を増やそう」「核兵器の非人道性を理解し、説明できる人材育成も重要」と訴えた。

 旧ソ連が最初の核実験をした1949年から今年で70年がたつのを機に、カザフの被曝(ひばく)者支援に取り組む広島の市民団体「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」(ヒロセミ)が企画。市民約40人が耳を傾けた。

(2019年7月29日朝刊掲載)

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