「文化や肌の色超えて」 NZの画家、廿日市で共同制作
19年7月29日
ニュージーランド・マスタートン市の画家のロビン・ホワイトさん(73)が姉妹都市の廿日市市を訪れ、地元の書道家小川妙子さん(68)と原爆の恐ろしさを伝える作品を共同制作した。原爆で破壊された空間を表現した絵に、原爆詩を書き入れた。
ホワイトさんは被爆前後の「家」がモチーフの12枚を持参した。うち被爆直後を描いた3枚は縦1・6メートル、横0・6メートル。土や植物などが材料の絵の具で、家の中から人の存在感が消えた恐怖と悲哀を表現した。
その作品の上に、小川さんが筆を力強く走らせた。やけどした人を想起させる「水、水をください 生きている火のかたまり」、遺骨を詠んだ「白い粉が風に舞う」…。被爆者から聞いた言葉という。「2人の心が響き合い、命のうごめきを表現できた」と小川さん。
共同制作のきっかけは昨年春。両市の交流事業でホワイトさんが広島を初訪問した際、被爆地の芸術家との連携を希望し、小川さんを紹介された。作品を携えて今回、再来日した。来年にはマスタートンでの展示を予定している。ホワイトさんは「文化や肌の色が違っても、協力すれば平和を築けることを示したい」と話している。(山本祐司)
(2019年7月29日朝刊掲載)
ホワイトさんは被爆前後の「家」がモチーフの12枚を持参した。うち被爆直後を描いた3枚は縦1・6メートル、横0・6メートル。土や植物などが材料の絵の具で、家の中から人の存在感が消えた恐怖と悲哀を表現した。
その作品の上に、小川さんが筆を力強く走らせた。やけどした人を想起させる「水、水をください 生きている火のかたまり」、遺骨を詠んだ「白い粉が風に舞う」…。被爆者から聞いた言葉という。「2人の心が響き合い、命のうごめきを表現できた」と小川さん。
共同制作のきっかけは昨年春。両市の交流事業でホワイトさんが広島を初訪問した際、被爆地の芸術家との連携を希望し、小川さんを紹介された。作品を携えて今回、再来日した。来年にはマスタートンでの展示を予定している。ホワイトさんは「文化や肌の色が違っても、協力すれば平和を築けることを示したい」と話している。(山本祐司)
(2019年7月29日朝刊掲載)