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被爆者から手紙を募集 原爆症訴訟で日本被団協 最高裁に提出

 日本被団協は29日、厚生労働省で記者会見を開き、原爆症認定訴訟で最高裁の判断を待つ被爆者3人が勝訴するよう支援するため、全国の被爆者から最高裁宛ての手紙を集めると発表した。被爆者の思いを最高裁に届け、3人に勝訴の判断を下すよう促す狙い。

 3人はいずれも女性で、70~80代。被爆地は広島1人、長崎2人。3人は両眼の白内障や慢性甲状腺炎を発症したが、経過観察になったことを理由に認定を却下され、国を提訴した。

 3人のうち、2人は高裁で勝訴し、国が上告。1人は高裁で敗訴し、被爆者側が上告した。いずれも最高裁が今後、上告を受理するかが焦点になっている。

 このため被団協は、全国の被爆者に呼び掛け、A4判1枚の手紙を募集する。原爆症の苦しみや悩み、政府への要望などを書いてもらい、最高裁に9月末をめどに届ける。500~千枚程度の提出を目指す。

 原爆症に認定されれば、月14万1360円の医療特別手当を受け取れる。この3人以外にも22人が地裁か高裁で係争している。

 長崎の被爆者でもある被団協の木戸季市事務局長(79)は会見で「3人の裁判は非常に重要な意味を持つ。最高裁は私たちの願いに応えてくれるような判断をしてほしい」と強調した。(河野揚)

(2019年7月30日朝刊掲載)

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