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温泉プレゼントに笑顔 広島の2原爆養護ホーム

 広島市の原爆養護ホーム倉掛のぞみ園(安佐北区倉掛)と神田山やすらぎ園(東区牛田新町)に30日、兵庫県新温泉町の湯村温泉の湯計約10トンが届いた。入所者はさっそく足湯や風呂を楽しんだ。

 新温泉町と湯村温泉観光協会が広島原爆の日を前に1992年から毎年続けており、ことしで28回目。

 倉掛のぞみ園には5人が訪問。トラックで運んだ98度の源泉のうち約5トンを浴槽に移した。入所者約20人を前に同町商工観光課の桶本安弘商工振興係長が、平和を願う趣旨を説明した。

 入所者は、神経痛や冷え性に効くという湯を張ったたらいの周りに交代で集い、足湯を満喫した。桜田米子さん(80)は「肌がつるつるになった。温泉に入る機会はめったにないので毎年楽しみ」と笑顔だった。

 湯村温泉は兵庫県北西部の日本海側にある。胎内被爆した主人公の女性を吉永小百合さんが演じたNHKドラマ「夢千代日記」(1981年)の舞台になった縁で、広島市と交流を続けている。一行は同温泉の観光客や住民が作った折り鶴約5万羽も持参し、中区の平和記念公園などに届けた。(山田英和)

(2019年7月31日朝刊掲載)

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