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被爆体験 核廃絶の願いに 県被団協・箕牧さん 三次で講演

 被爆者から体験を聞く平和学習会が29日夜、三次市十日市西のみよしまちづくりセンターであった。県被団協(坪井直理事長)の箕牧智之理事長代行(77)=北広島町=が「戦争・原爆と私のその後の人生」と題して講演し、約140人が聞き入った。

 東京大空襲を機に疎開した飯室村(現広島市安佐北区)で、8月6日を迎えた箕牧さん。当時3歳ながら「夕方になると、家の前をぼろぼろになった人がたくさん歩いていた光景を覚えている」と振り返った。その後、母に連れられて広島駅で働く父を捜しに入市し、被爆。「小学生のころは原因不明の体調不良に苦しんだ」と話した。

 また、写真や被爆者の証言を基に描かれた絵を示し、原爆投下後の破壊された町並みや、亡き母の乳を求めながら息絶えた子の姿などを伝えた。自身が取り組む核兵器廃絶に向けた国内外での活動の様子も紹介し、「被爆者が生きているうちに実現を」と呼び掛けた。

 三次市三和町の保育士佐々木志歩子さん(24)は「当時の様子がよく伝わってきた。子どもにも平和の大切さを伝えたい」と話していた。学習会は、連合広島備北地域協議会が主催した。(高橋穂)

(2019年7月31日朝刊掲載)

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