×

ニュース

パキスタンに「サダコ小」 現地から写真届く NPO法人との交流契機

■記者 森田裕美

 インドと領有権をめぐる対立が続くパキスタンのアザド・カシミール州に、平和教育を実践する小学校ができた。2006年の地震で壊滅的被害を受けた住民が、復興を遂げたヒロシマに触発され建設。学校生活の様子を知らせる写真が、交流している広島の団体に届いた。

 州都ムザファラバード郊外チェラバンディの「サダコ小学校」。現地住民の非政府組織(NGO)が建設し、2008年8月に開校した。紛争や地震で傷ついた子ども120人が通っている。

 きっかけは中区の特定非営利活動法人(NPO法人)「ANT-Hiroshima」が、故佐々木禎子さんをモチーフに出版した絵本だった。メンバーは2006年、被災地支援で現地に入り、住民に読み聞かせもした。

 住民は、被爆後も希望を捨てず白血病と闘った禎子さんや復興へと向かう街を伝える内容に感銘し「紛争の地を平和のまちに再建したい」と取り組んだ。

 ANT-Hiroshimaの渡部朋子代表理事(55)は「被爆地の思いを受け止めてもらえて、とてもうれしい」と話し、学校運営の支援を目的にした寄付への協力を呼び掛けている。Tel082(502)6304。

(2009年3月26日朝刊掲載)

関連記事
サダコ絵本 日本語版製作 原爆の子の像建立50年記念(08年7月28日)

年別アーカイブ