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峠三吉の遺影登録 原爆詩人 53年の死去直前か 広島祈念館

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は1日、原爆詩人、峠三吉(1917~53年)の遺影を登録したと発表した。おいの峠鷹志(たかし)さん(80)=東京都=の了承を得て、「広島文学資料保全の会」(中区)が収集していた写真を寄せた。

 峠は28歳の時、爆心地から約3キロの翠町(現南区)で被爆。原爆の非人間性を告発する「原爆詩集」で注目された。画家四国五郎(1924~2014年)と協働。原爆詩集の表紙絵は四国が手掛けた。

 祈念館は来年1月から約1年間、四国の企画展を開催する予定。峠の遺影を捜す中で同会が所有しているのを知り、協力を得た。祈念館によると、遺影の撮影時期は、峠が死去した53年3月の直前とみられる。

 同会の池田正彦事務局長(72)は「遺影の公開で、多くの人が峠の作品に触れるきっかけになってほしい」と期待している。(宮野史康)

(2019年8月2日朝刊掲載)

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