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惨状伝える被爆瓦・れんが 広島大に常設展示コーナー

 広島大は27日、被爆の惨状や復興の歩みを伝える資料を集めた常設展示コーナーを、東広島キャンパスの法人本部棟2階に設けた。大学院生が広島市内で採集した被爆瓦やれんが約70点をはじめ、各学部に分散した資料を集約した。

 被爆瓦やれんがは、大学院医歯薬保健学研究科の嘉陽(かよう)礼文(れぶん)さん(34)が広島市などの許可を受け2002~12年、原爆ドーム近くの川で拾った。溶けたり変形したりしていて、熱線や火災の被害を物語る。

 広島大の前身、広島文理科大の被爆タイルも掲げた。大学を再建するため世界の大学に書籍や苗木の提供を呼び掛けた初代学長の森戸辰男氏の功績を伝えるパネルもある。

 除幕式には約30人が出席。浅原利正学長が「被爆地に開学した大学として、平和の尊さを世界に訴えていきたい」などとあいさつした。嘉陽さんは「原爆が投下された日、そこには人々の生活があったことを実感してほしい」と願っていた。入場無料。学生以外の人も見学できる。午前8時半~午後5時。土、日曜と祝日は休み。(新谷枝里子)

(2013年3月28日朝刊掲載)

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