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核廃絶への道筋議論 原水協など 世界大会開幕 広島

 日本原水協などの原水爆禁止世界大会が3日、広島市中区で始まった。初日の国際会議には国内外の政府や平和団体の代表たち約200人が参加し、核兵器を巡る国際情勢や核廃絶への道筋を議論した。

 大会運営委員会の野口邦和共同代表は「来年に被爆75年の重要な節目を控える。核兵器禁止条約に背を向ける安倍政権に署名と批准を迫らなければならない」と強調。さらに米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約を2日に失効させた米トランプ政権に対し「乱暴な行為だ」と非難した。

 続いて広島の胎内被爆者でもある日本被団協の浜住治郎事務局次長(73)が「被爆者は病気への不安が消えることはない。核兵器禁止条約の一日でも早い発効に向け、共に力を尽くそう」と呼び掛けた。

 海外ゲストを代表し、オーストリア政府で軍縮を担当するゲオルゲ・ヴィルヘルム・ガルホーファー課長は「INF廃棄条約の失効などで核軍縮は難しい時期にある。今こそ行動が求められている」と訴えた。

 その後、広島の被爆者や欧米の平和運動家たち8人が、核廃絶への市民の役割などをテーマに討論した。世界大会は9日まであり、海外から21カ国・地域の86人を招く。一方、原水禁国民会議などは4~9日、広島、長崎両市で世界大会を開く。(河野揚)

(2019年8月4日朝刊掲載)

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