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8・6登校 88%実施 広島市立の小中 昨年度より15校増

「共に学ぶ意義」9校は新たに

 今年の広島原爆の日(6日)を登校日にする広島市立の小中学校は182校と全体の88・8%に上り、昨年度より15校増えたことが市教委のまとめで分かった。15校のうち9校は、平和への思いを児童生徒が共有する「8・6登校」の意義を重視し、新たに実施する。(馬場洋太)

 登校日とするのは小学校が142校中136校(95・8%)、中学校は63校中46校(73・0%)。テレビで市の平和記念式典を見て原爆投下時刻の午前8時15分に黙とうした後、こども代表による「平和への誓い」についての感想をクラス内で話し合ったり、これまでの平和学習の成果を学年ごとに発表したりする。

 今回、新たに登校日とするのは4小学校と5中学校。このうち中山小(東区)は「家庭で平和を考える日と位置付けてきたが、身近に被爆者や戦争経験者がおらず、共働きなどのため親子でテレビを見られない家庭も少なくない。学校に集まり、みんなで考える方が学習効果が高いと判断した」(吉野賢一教頭)という。

 市教委によると、6日を登校日としない23校も、7月までに校内で集会を開くなど何らかの平和学習の機会を設けている。地域での慰霊祭や講師として招く被爆者の都合に合わせ、6日以外の夏休み中に登校日を設定する学校もある。

 8・6登校は、2016年度には114校(55・9%)が実施。しかし、17年度は地方分権の一環で教員の人事権が県から市に移ったため、8月6日を市職員の休日とする市条例を教員にも適用。全小中学校が6日の学校主催の平和学習をやめた。

 その後、市教委は文部科学省と協議。学習指導要領に定める「学校行事」については休日勤務を可能とする特措法の規定に着目し、18年度は再び登校日を設けられるようにした。西日本豪雨の影響で予定通りできなかった6小学校を除く167校(81・5%)が実施した。

(2019年8月4日朝刊掲載)

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