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上関原発 再び「未定」 中電計画 島根3号機運転開始も

 中国電力は28日、2013年度の電力供給計画を発表した。上関原発(山口県上関町)の本体着工と運転開始、島根原発(松江市)3号機の運転開始の時期を、昨年に続き未定とした。原発の新しい安全基準やエネルギー政策をめぐる国の議論などを見定める。

 定期検査中の島根1、2号機の再稼働時期と、13年度から10年間の供給力も未定とした。広島市中区の本社で会見した苅田知英社長は「安全基準の策定やエネルギー基本計画の検討状況を見ながら、確定できる段階になればお知らせしたい」と述べた。

 原発の再稼働が見込めない今夏の電力需給について苅田社長は、火力や水力発電所の点検、補修に力を入れるなどし、安定供給を維持できるとの見通しを示した。電力会社では値上げの動きが相次ぐが、「現行の水準を維持したい。(値上げは)検討していない」と述べた。

 松井三生副社長電源事業本部長は、安全対策強化のため島根2、3号機に2015年度に設置するフィルター付きベントについて、「もっと早く設置できる」と前倒しする方針を示した。事故時に蒸気を放出する役割があり、原子力規制委員会は、島根など沸騰水型では設置しないと再稼働を認めない方針でいる。(和田木健史)

(2013年3月29日朝刊掲載)

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