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平和を願い被爆者手記 府中町で朗読会

 被爆者の手記や原爆を題材にした絵本の朗読会が3日、府中町桃山の府中南公民館であった。同館を拠点に活動する「朗読藍の会」のメンバーと地域の小学生計7人が平和への願いを込めて読み上げた。

 「目の見えなくなった母親が、死んでいる子どもを抱いて泣いていた」「こんな恐ろしいものをなぜ使ったんだ」―。7人は感情を込め、時折語気を強めながら手記を朗読した。絵本「まっ黒なおべんとう」も読み、来場者約40人に原爆の恐ろしさを訴えた。

 同会の新田弘子さん(79)=同町=は被爆直後に負傷者が列車で運ばれる姿を見た自身の経験も紹介し、「医者も薬も足らず毎日人が死ぬ時代だった。悲劇を二度と起こさないよう、被爆者の思いを語り継がなければいけない」と話した。

(2019年8月4日朝刊掲載)

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