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8・6式典 台風警戒 広島市 直撃なら中止も 判断基準を公表へ

 原爆の日の6日午前に台風8号が広島市に最接近する恐れがあり、市は平和記念公園(中区)で開く平和記念式典への影響をにらんで進路予想に気をもんでいる。大雨警報などを受けて市内に避難勧告・避難指示を出す状況になった場合、式典を中止する方向で検討している。強風に備えてテントの撤去も必要なため、さまざまな対応の判断基準を4日夕以降に公表する。(永山啓一)

 広島地方気象台によると、台風8号は3日午後5時時点の予報で、5日夕から6日午前にかけて九州に上陸する可能性が高まっている。同気象台は「広島市は雨よりも風への警戒が必要になるのではないか」との見方を示している。

 市は4日午前10時時点の予報を基に、さまざまなケースを想定した判断基準などを公表する。台風の直撃が避けられなければ、同日中に中止を決定する可能性もある。市は大雨が降り続いた時には累積雨量などを基にして警戒レベル4の避難勧告・避難指示などを出している。

 市民活動推進課の山根孝幸課長は「避難を呼び掛ける状況になれば、式典を開くことはできない。気象台の情報を注視し、早めに対応を決めたい」と話す。

 また、進路がそれる場合でも、式典会場でほぼ設営を終えたテントの対応が必要になる。参列者席の大半を覆う41張りのテントは、風速20メートルまでしか安全性を確保できない。市は「台風が勢力を維持して接近する場合、テントを解体する作業が要る」としている。

 平和記念式典は、1947年に「平和祭」として始まり、毎年8月6日に開いている。中止は朝鮮戦争の影響を受けた50年の式典だけ。65年の式典は台風15号が接近したが、開催した。江波山気象館(中区)によると、同年8月6日未明に熊本県に上陸後、山口県に再上陸。広島市の同日午前9時の風速は12・8メートルで、雨は観測されなかった。

(2019年8月4日朝刊掲載)

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