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新たな被爆者1万7253人 広島市公表

 広島市は28日、広島原爆の被害を探るため1999年から14年がかりで実施した第7期被爆者動態調査の結果を公表した。1万7253人の被爆者を新たに突き止めた一方、第1~6期調査(1979~98年度)で1592人の重複があることも分かった。

 動態調査は国や県、市などが別々に調査した資料を突き合わせ、被爆者を一人一人確定する作業。第7期調査には統計方法に詳しい広島大放射線医科学研究所(原医研、南区)の研究者が協力した。

 原爆死没者名簿と被爆者健康手帳交付申請書から、これまで分かっていなかった被爆者をすくい上げるとともに、第6期調査の結果をコンピューターで調べ、同一人物とみられる重複を外した。

 その結果、被爆者数は55万7478人と、第6期調査から1万5661人増えた。米国が原爆を投下した45年8月6日から同年末までに亡くなった被爆者は8万8978人で、961人減った。

 調査に関わった広島大原医研の大谷敬子助教(データ解析)は、被爆直後から50年ごろまでの死没者の情報を積み上げてきた意義を強調。「初期放射線の影響調査につなげられる可能性がある」と話した。(田中美千子)

(2013年3月29日朝刊掲載)

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