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亡き友への負い目 今も 段原中生を前に梶山さん

 広島市南区の段原中の体育館で4日、県立広島第一高等女学校(現皆実高)1年の時に被爆した梶山雅子さん(86)=安芸区=の証言を聞く会があり、生徒約390人が耳を傾けた。

 梶山さんはあの日、虫垂炎の手術跡がうずき、金屋町(現南区)の自宅にいて助かった。一方、土橋(現中区)付近で建物疎開作業中だった級友たち約220人は犠牲になった。

 「言いつけ通り作業に出た子が死に、休んだ私が生き残った」。梶山さんは今も残る負い目を明かし「大切な人の命が一度に消える。どう思いますか」と、問い掛けた。3年矢野力也君(14)は「原爆に奪われた命一つ一つの重さを感じた」と、かみしめていた。

 校内ではその後、段原中の前身である第一国民学校の慰霊祭もあった。住民や近くの小学生たち約60人も加わり、犠牲となった生徒49人と教師1人を悼む慰霊碑に黙とうをささげた。(加納亜弥)

(2019年8月5日朝刊掲載)

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