×

ニュース

「核兵器・原発ない世界を」 原水禁など 広島大会始まる

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会の広島大会が4日、広島市中区で始まった。全国から約1900人が参加し、核兵器も原発もない世界の実現に向けて議論した。一方、日本原水協などの世界大会は2日目の日程を同区で続けた。

 原水禁などの開会総会では、長崎の被爆者でもある実行委員会の川野浩一委員長が「唯一の被爆国が核兵器禁止条約に賛同せず、政府は被爆者の怒りを真摯(しんし)に受け止めるべきだ」と指摘。さらに東京電力福島第1原発事故に言及し「原発に安全はない」と脱原発も訴えた。

 その後、広島市内の自宅近くで8歳の時に被爆した高品健二さん(82)=安佐南区=が、被爆直後に母を亡くした体験を語り、「私たち被爆者はあと何年生きられるか分からない。本当に核のない世界をつくりたい」と願った。このほか福島県の平和団体が原発事故後の現状報告をした。

 原水協などの世界大会はこの日も国際会議を開いた。米国の平和団体のピースアクションのロザリー・ブルックス財政・総務部長は「トランプ大統領の核政策を懸念している。来年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議は人類の未来を守るための貴重な機会になる」と力を込めた。

 来年の被爆75年に向けて「ヒバクシャ国際署名」を集める課題などを話す分科会もあった。(河野揚)

(2019年8月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ