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胎内被爆者 証言集検討 広島で集い 全国呼び掛けへ

 母親のおなかの中で原爆に遭った人たちでつくる「胎内被爆者の会」が5日、広島市南区の市総合福祉センターで6回目となる集いを開いた。全国の胎内被爆者約20人が出席。来年の被爆75年の節目に、思いをまとめた証言集の発行を検討し、会員を中心に全国に執筆を呼び掛けることを申し合わせた。

 広島や東京、長崎、福岡など7都県から出席。事務局から証言集を発行する提案が出されると「被爆の記憶はなくても、被爆した母親やその後の家族の歩みなら語れる」「胎内被爆者は被爆者として知られていない。周知するきっかけになる」などの意見が出た。

 今年4~5月にニューヨーク国連本部であった核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会でスピーチした日本被団協の浜住治郎事務局次長(73)の講演もあった。浜住事務局次長は胎内被爆者でもあり、各国大使と懇談した経験から「国連で働く人々に、被爆者が直接核兵器廃絶をアピールすることは大きな意味がある」と振り返った。

 胎内被爆者の会は現在、16都県の71人でつくる。全国の胎内被爆者は2018年度末で6979人。前年同期の7061人から82人減った。(加納亜弥)

(2019年8月6日朝刊掲載)

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