×

ニュース

被爆者避難の道 追体験 県境を越え広島から邑南

 74年前の原爆投下後、広島市から県境を越えて島根県邑南町まで避難した人たちの道のりをたどるイベント「歩こう広島から」が4、5日にあり、被爆者の苦難を追体験して平和を願った。

 島根、広島両県の13~72歳の14人が参加した。一行は4日、平和記念公園(広島市中区)を訪れ、町民が願いを込めて折った千羽鶴を原爆の子の像にささげた。展示が新しくなった原爆資料館も見学した。

 猛暑のため安芸高田市までバスで移動し、夕方、国道54号上根バイパス沿いをスタート。国道261号などを夜通し歩いて約42キロを踏破し、5日午前7時20分、同町の出羽公民館に全員がたどり着いた。

 町内の12公民館でつくる町公民館連絡協議会が主催し、今年で32回目。広島県境の同町には、親類や知人を頼って多くの被爆者が逃れてきた。同町の瑞穂中2年原田奈茄さん(14)は「暑い中、険しい道を被爆者の方がどれほどつらい思いで避難したのか、想像しながら歩いた。その気持ちを忘れずに過ごしていきたい」と話した。(鈴木大介)

(2019年8月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ