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被災地にエール 被爆桜 復興見守って 南三陸町に苗木贈る

 広島市東区の牛田商店街振興組合と牛田学区社会福祉協議会は29日、東日本大震災で被災した宮城県南三陸町に、被爆桜などの苗木2本を贈った。犠牲者を慰霊し、被災者を勇気づけたいとの思いを、広島の復興のシンボルに託した。

 苗木2本は、中区白島で被爆したソメイヨシノと、原爆投下後に降った「黒い雨」を浴びたとされるオオシマザクラの「2世」。NPO法人「二葉の里に桜並木を復活させる会」が東区馬木の畑で育てており、同組合が譲り受けた。

 この日、組合の藤原通禮(みちのり)副理事長(73)たち3人が畑を訪問。苗木を抜いた後、品種を区別するための名札を付け、宮城に発送した。

 商店街で印鑑を販売している藤原副理事長は震災直後、南三陸町の被災者に印鑑を送ったことがある。これをきっかけに、組合は東北地方から仕入れた商品を売る支援活動を展開している。

 苗木は4月3日、津波被害に遭った町並みを見下ろす高台に植樹される予定。藤原副理事長は「被爆桜に復興を見守ってもらいたい」と願っている。(根石大輔)

(2013年3月30日朝刊掲載)

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