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核禁条約巡り大使と討議 ICANアカデミー 11ヵ国の若者参加

 広島市で開催中の講座「核兵器と安全保障を学ぶ広島―ICAN(アイキャン)アカデミー」に参加する11カ国の若者が6日、平和記念式典に参列した各国の大使たちと中区で意見交換した。核兵器禁止条約への賛否などを巡って熱心に討議した。

 メキシコやフィリピンなど4カ国の大使や国連関係者を招いた。禁止条約の批准手続きを終えたメキシコのメルバ・プリーア駐日大使は北朝鮮の弾道ミサイル発射や米ロの緊張激化に言及。「こんな情勢だからこそ、核兵器を持ったり、使ったりすることに『汚名』を負わせる禁止条約の意義は大きい」と指摘した。

 受講生の「核被害はどうすれば防げるか」との問いには「唯一の方法は核兵器をなくすことだ」と明言。「核使用という受け入れられない非人道性について、国際社会の認識を高めないといけない」と強調した。

 5日には核兵器保有国のロシアのほか、ドイツ、カザフスタンの外交官、日本の外務省関係者と対話した。

 南区出身で英ロンドンに留学中の宮田春香さん(23)は「まずは核兵器を保有する5大国に話し合いの席に着いてもらい、核の非人道性を理解してもらうよう努めることが大事だと実感した」と話した。

 講座は非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)と広島県が初めて企画。7月31日から今月8日までの日程で、欧米やアジアの男女15人が被爆の実態や核兵器を巡る国際情勢を学ぶ。(田中美千子)

(2019年8月7日朝刊掲載)

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