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広島原爆の日 記憶の継承 願い新た 江津・松江 追悼式や反核パネル展

 広島市に原爆が投下されて74年となった6日、島根県内でも追悼式やパネル展が催され、参列者たちは核なき世界の実現と平和への願いを新たにした。

 江津市有福温泉町の湯町自治会集会所であった原爆死没者追悼式には、住民約40人が参列。投下時刻の午前8時15分に全員で黙とうした後、祭壇に折り鶴を供えた。5月の修学旅行で原爆ドーム(広島市中区)を訪れた川波小6年澤村沙菜さん(11)は「黙とうしていて、建物を破壊する原爆の恐ろしさを思い出し、平和を祈った」と話した。

 追悼式は、2013年末に閉じた原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」で毎年あった式を自治会が引き継いでいる。

 松江市内では、県原爆被爆者協議会による慰霊の集いと、広島、長崎の惨禍を伝えるパネル展があった。早朝、北公園(学園南)にある原爆慰霊碑周辺で、被爆者や被爆2世たち16人が草刈りなどをした。続いて広島市の平和記念式典の様子をラジオで聞きながら黙とうし、献花した。

 「原爆と人間展」と題したパネル展は、松江市朝日町の松江テルサで開催。背中が赤くただれた子どもの写真や、原子爆弾の破壊力を解説する図などを載せた計28枚を展示した。7日も午後3時まで開く。

 同協議会によると、県内の被爆者数は3月末時点で832人で、平均年齢は87・78歳。原美男会長(92)=玉湯町=は「戦争は兵士だけでなく、普通に暮らす国民の命を奪う。本当の恐ろしさを伝え続けるため、記憶の継承に努めたい」と力を込めた。(三宅瞳、梨本晶夫)

(2019年8月7日朝刊掲載)

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