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国が初上告 原爆症訴訟 東京高裁判決

■記者 岡田浩平

 千葉県の被爆者2人を原爆症と認めた東京高裁判決について国は25日、最高裁に上告した。原爆症認定集団訴訟で上告は初めて。また国は同日、厚生労働相の注意義務違反を認め初めて国家賠償を命じた広島地裁判決についても広島高裁へ控訴した。厚労省は、東京高裁判決が放射線起因性を幅広い病気で「事実上推定」した点を重視。「被爆者援護法の解釈、適用を誤っている」と説明する。

 同高裁は肝機能障害を集団訴訟で初めて認めた。国は、同障害などを積極認定に加える方向の基準見直しに関し、5月の大阪、東京(東京原告)両高裁判決で決める考えだ。

 広島地裁判決の控訴については「専門家の判断への厚労相の過度な注意義務を求めており、従来判決と異なる」などとしている。

(2009年3月26日朝刊掲載)

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