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「黒い雨」研究報告 原医研がワークショップ

■記者 森田裕美

 原爆が投下された直後の広島に降った「黒い雨」に関する研究ワークショップが27日、広島市南区の広島大原爆医科学放射線研究所(原医研)であった。国内外の専門家約20人が出席し放射性降下物の測定結果などを報告した。原医研の星正治教授(放射線生物・物理学)たちの研究グループは爆心地から約30キロの安佐南区上安地区などで1976年に採取された土壌を調査。通常は自然界に存在せず核爆発で生じるセシウム137やウラン236を検出したことを明らかにした。

 採取地点を含むこの地域は「小雨地域」とされる。住民は、被爆者援護法で被爆者に準じた扱いを受けられる黒い雨の指定地域(大雨地域)を拡大するよう求めている。星教授たちは検出された降下物が原爆によるのか、戦後の中国などの核実験によるのか区別するにはさらに解析が必要としている。

(2009年3月28日朝刊掲載)

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