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志賀館長 初の海外要人案内 原爆資料館

 原爆資料館(広島市中区)の志賀賢治館長(60)が2日、就任2日目で初めて海外の要人に館内を案内した。ベトナムのグエン・ティ・キム・ティエン保健相(53)に展示資料を紹介し、「興味を持って聞いてもらえた」と手応えを感じていた。

 被爆前後の市街地の模型の前で、志賀館長は「爆心地付近は商店や映画館が並ぶ繁華街だった」と説明した。「米国はなぜ、広島を投下場所に選んだのか」などの質問に丁寧に答え、原爆慰霊碑にも案内した。

 志賀館長は「原爆が市民の日常を奪った事実を伝えたかった。熱心に受け止めてもらえた」と話し、ティエン保健相は「心揺さぶられ、平和の尊さを感じた」と感謝した。

 ティエン保健相は日本の医療保険制度を学ぶため来日。地方視察に被爆からの復興を遂げた広島を選んだ。2日は、医療、保健、福祉が連携した高齢者の地域包括ケアシステムを実践する尾道市御調町の公立みつぎ総合病院も視察。3日、湯崎英彦知事と懇談するなどした後、帰国する。(田中美千子、渡辺裕明)

(2013年4月3日朝刊掲載)

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