×

ニュース

参院山口補選 告示まで1週間 与野党 擦れ違う争点 

 第2次安倍政権発足後初の国政選挙となる参院山口補選(28日投開票)は4日、告示の11日まで1週間となった。これまでに新人5人が立候補を表明。昨年末の政権奪還で勢いづき景気刺激策に力点を置く与党側に対し、野党側の多くは原発エネルギー問題を訴えの柱と位置付け、争点が擦れ違っている。(金刺大五、門戸隆彦、藤田龍治)

 立候補の予定者は、自民党公認の前下関市長江島潔氏(56)=公明党推薦▽共産党公認の元周南市議藤井直子氏(60)▽政治団体「幸福実現党」公認の党県副代表河井美和子氏(50)▽無所属の元衆院議員平岡秀夫氏(59)=民主党、みどりの風推薦▽無所属の社会福祉法人理事長佐々木信夫氏(74)―の5人。

 自民党の江島氏は、安倍晋三首相(山口4区)のお膝元の下関市長を4期14年間務めた経験をアピールし、産業再生策などを重視。「安倍政権の支持率は高く、追い風の中での選挙。地方自治に携わった経験を生かし、商店街活性化など山積する地方の課題を解決したい」と訴える。

 陣営は投票率60%と想定して得票目標を45万票、得票率を約6割と設定。告示以降、安倍首相や石破茂党幹事長らの来援を予定し大量得票を目指す。

 これに対し、無所属の平岡氏は中国電力の上関原発(上関町)建設計画に反対する姿勢を示し、民主党政権が打ち出した「脱原発」を正面に掲げる。3月末、細野豪志同党幹事長を招いた下松市での集会では「夏の参院選が終わると(安倍政権は)すぐ上関原発にゴーサインを出す危険がある」とけん制した。

 自民党に対抗する幅広い勢力の結集を呼び掛け連合山口や社民党県連合の支持を獲得。2日には下関市で勝手連も発足した。

 共産党の藤井氏も原発政策を重視し、原発再稼働を許さない「即時原発ゼロ」をアピール。3月末に宇部市であった党の演説会では「上関原発は絶対に造らせない。放射能から子や孫を守りたい。これは全ての女性の願いだ」と訴えた。

 陣営は「(参院山口補選で)堂々と政党の看板を掲げているのは自民党と共産党だけ」と、「自共対決」を強調。憲法9条堅持や米海兵隊岩国基地(岩国市)の機能強化反対の訴えにも力を入れる。

 幸福実現党の河井氏は上関原発計画推進の立場。周南市に事務所を構え、あいさつ回りなどに力を入れる。無所属の佐々木氏は脱原発を軸に訴える。

(2013年4月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ