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心一つ戦没者追悼 尾道 5式典を一本化

 尾道市内に五つある遺族会合同の初めての「戦没者追悼式及び平和祈念式典」が20日、同市向島町の市民センターむかいしまであった。これまで合併前の旧市町単位でそれぞれ営んできたが、会員の高齢化などを受け、市主催で一本化した。

 遺族たち約350人が参列した。黙とう後、平谷祐宏市長が「戦争の悲惨さと平和の尊さを未来に語り継ごう」とあいさつ。遺族たちの代表が献花し、地元の小中学生が平和を願う作文を朗読した。

 同市には尾道、因島、御調町、向島町、瀬戸田町の各遺族会があり、2017年までそれぞれ夏から秋を中心に追悼の集いを開いてきた。しかし、5遺族会とも会員の減少や高齢化が進んだため同年、市主催による合同開催を要望し、実現が決まった。昨年8月に初開催の予定だったが、台風接近のため中止となった。

 県遺族会によると、5遺族会の会員は計1113人(昨年12月時点)。尾道遺族会の古川巌会長(82)は「遺族だけでは、いずれ開けなくなるので一安心。不戦と平和を願う集いが新たな形で継承されてほしい」と期待していた。(神田真臣)

(2019年8月21日朝刊掲載)

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