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これからも核廃絶訴え 広島の高校生大使帰国報告

 第22代の高校生平和大使の一員としてスイス・ジュネーブの国連欧州本部などを訪れた県内の高校生3人が27日、広島市役所で帰国報告の会見をした。国際機関などで核兵器廃絶を訴えた旅を振り返り、被爆地の若者としてのさらなる行動を誓った。

 16都道府県から選ばれた平和大使23人は8月19~22日の4日間、現地で活動。国連欧州本部の軍縮部では核兵器廃絶を求める署名約21万筆の目録を提出した。核兵器保有国を含む約30カ国の大使たちや現地の高校生との交流では、家族の被爆体験を話し、核兵器について意見交換した。

 祖父の被爆体験を紹介した基町高2年牟田悠一郎さん(16)=東区=は「保有国の大使も心を動かされたと言ってくれた」。広島大付属高2年松田小春さん(16)=南区=も「被爆体験を聞き『二度と起こしてはいけない』と思うのは、どこに住んでいても同じだと実感できた」と話した。

 県立広島高2年北畑希実さん(17)=尾道市=は「廃絶のためには国際情勢も知る必要があると感じた。学び続けたい」と今後の活動への意気込みを語った。

 平和大使は1998年のインドとパキスタンの核実験をきっかけに始まり、提出した署名は計約200万筆に上る。(明知隼二)

(2019年8月28日朝刊掲載)

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