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東京の大学に被爆樹木 ユニタールが植樹式

 国連訓練調査研究所(ユニタール、本部スイス)は30日、広島への原爆投下で被爆した樹木の苗木を東京都千代田区の上智大四谷キャンパスに植えた。被爆樹木の苗木や種を国内外に贈り、平和の大切さを伝える取り組みの一環。

 キャンパス1号館そばであった植樹式に、ユニタールのニキル・セス総代表や上智大の杉村美紀副学長、ゲストの被爆者平田道正さん(83)=東京都杉並区=たちが参加。セス総代表は「大学生に見守られ、大きく育つと確信している」とあいさつした。

 平田さんは広島市内の自宅で被爆した74年前の体験を英語で語り、「この苗木を通じて、私たちの核兵器廃絶への願いが若い人たちに伝わってほしい」と強調した。

 苗木は広島市中区の吉島稲生神社の被爆ヤブツバキの種から育て、高さ約50センチ。3人がスコップで土を掘って植えた。

 ユニタールは2003年に広島事務所(中区)を開設。苗木や種を贈る活動は11年に始め、93カ所目となった。セス総代表がアフリカ開発会議(TICAD)で来日するのに合わせ、上智大に提案した。(河野揚)

(2019年8月31日朝刊掲載)

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