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地上イージス費用 特定の配備地前提は見送り

 防衛省は30日発表した2020年度予算の概算要求で、山口、秋田両県が配備候補地の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、特定の配備地を前提とする費用の計上を見送った。配備地が最終的に決まっていないのが理由としている。

 イージス・アショア関連費で盛り込んだのは、配備地がどこに決まるにせよ必要な費用のうち122億2千万円。内訳はミサイルの垂直発射装置の取得費103億1千万円、イージス・アショアと既存システムを接続するための調査費17億9千万円、人材育成費1億2千万円。

 一方で、敷地造成や施設建設などの費用は盛り込まなかった。防衛省は「まだ配備地が決まっていないので、経費を積める状況ではない」と説明した。

 また、1カ所当たりの本体取得費の総額は1254億円とした。

 イージス・アショアを巡り、同省は山口県の萩市と阿武町にまたがる陸上自衛隊むつみ演習場、秋田市の新屋演習場の2カ所を候補地とした。しかし適地調査でミスや不手際が発覚。地元で反対の声が強まっていることも一定に考慮し、配備地に関わる費用計上を見送ったとみられる。

 25年ごろを目指す配備時期への影響について、防衛省は「今の段階では分からない」としている。(河野揚)

(2019年8月31日朝刊掲載)

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