×

ニュース

被災動物 悲痛な叫び 広島でNPOモデルの劇

 東日本大震災の被災地に残った動物の現状を伝える演劇の公演が6日、広島市中区の中国新聞ホールであった。現地で犬や猫を保護するNPO法人犬猫みなしご救援隊(安佐北区)の取り組みを基にした脚本で、保護活動への支援を訴えた。

 福島第1原発の警戒区域に取り残された犬のハルが、避難した飼い主を捜すストーリー。劇団ムカシ玩具(東京)主宰の舞香(本名二川舞香)さん(31)がハルや猫、豚などを一人で演じ、餌や水が途絶えても必死に生きる動物を表現した。

 住民が離れた被災地で見殺しにされる動物たち。「僕たちは生きてちゃいけないの」。ハルになり切った舞香さんの悲痛な叫びに、約130人が詰め掛けた客席からすすり泣きがもれた。救援隊の中谷百里理事長(51)は本人役で出演してハルを救い、「よう頑張ったね」と声を掛けた。

 被災地の子どもたちを支援する「届けよう 希望 元気 キャンペーン」(中国新聞社、中国新聞中国会連合会主催)の一環。中国新聞ビル1階ロビーでは12日まで、救援隊の被災地での活動を伝える写真展も開いている。(桑田勇樹)

(2013年4月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ