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試される「非核外交」 外相、きょうから外遊

 岸田文雄外相(広島1区)が、8~12日の日程でオランダと英国を訪問する。軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)と主要国(G8)の外相会合にそれぞれ出席。2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた提案や北朝鮮の核問題をにらんだ議論をリードする。被爆地出身の外相として、「非核外交」の手腕が試される。

 「広島出身の外相として出席することに強い責任感を感じる」。岸田氏は、5日の記者会見でこう述べ、二つの外相会合に臨む意気込みを示した。北朝鮮の核実験やイランの核開発は、NPDIはもちろん、G8でも主要なテーマとなる。

 核兵器を持たない10カ国によるNPDIの外相会合は、核兵器の即時非合法化を目指すグループとは一線を画し、現実的かつ具体的な提案を練る。実現可能性を踏まえた核軍縮や不拡散と、核兵器廃絶という被爆地の願いをいかに近づけるかが求められる。

 さらに、岸田氏は会合で、若い世代に核兵器の悲惨さを訴えてもらうために新設する「ユース非核特使」制度を説明。各国に理解と協力を求める。来年春に広島市で開く同会合への積極的な参加も呼び掛ける。

 一方、G8での各国の関心は、ルワンダなど紛争地での性的暴力防止やサイバー対策などさまざま。閉幕時の議長声明に北朝鮮やイランの核問題をいかに盛り込み、国際的なメッセージを発信できるかも焦点となる。(藤村潤平)

(2013年4月8日朝刊掲載)

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