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被爆遺構を追加発掘 平和公園で住居境界調査

 広島市は3日、平和記念公園(中区)地下に残る旧中島地区の被爆遺構の追加調査を本格化させた。原爆資料館東館北側の緑地帯で5~7月に実施した前回調査から範囲を広げ、当時の住居の痕跡などを確認する。今月下旬をめどに調査を終える予定。

 調査を受託する市文化財団の職員たちが、約40平方メートルの範囲で発掘作業を開始。前日に重機で深さ約30センチまで掘った場所の表面の土を、スコップなどを使って慎重に削り取った。

 前回調査では住居跡とみられる焼け跡などが出土。今回はその東側を掘り、住居の範囲や表通りの「旧天神町筋」との境界などを調べる。市は8月21日から、追加調査の作業を進めていた。

 市は有識者懇談会に調査結果を報告。懇談会の意見を踏まえ、予定通り2020年度の展示公開に向けて具体的な計画策定に入るか、さらに調査が必要かを判断する。中川治昭・被爆体験継承担当課長は「被爆した住居の痕跡を、ある程度まとまった形で示したい」と話した。(明知隼二)

(2019年9月4日朝刊掲載)

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