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シュモー氏 あの日の横顔 「広島の家」建設から70年 初公開写真やパネル展

 米国人平和活動家、故フロイド・シュモー氏の足跡を伝える施設「シュモーハウス」(広島市中区江波二本松)で、企画展「シュモーハウスの原点」が開かれている。同氏が原爆で家を失った人たちのために「広島の家」を建ててから今年で70年。原爆資料館(中区)が初公開を含む写真23枚や、建築図面を載せたパネル10枚を展示している。(明知隼二)

 写真は、皆実町の市営住宅の一部として最初に手掛けた「皆実平和住宅」を建設する過程などを切り取った。このうち初公開は、シュモー氏が2軒長屋を建てる様子や、シュモー氏とともに作業した仲間たちが宮島観光を楽しむ場面、広島に向かう経由地の神戸市で笑顔を見せる姿などがある。

 シュモー氏は1949年8月、牧師エメリー・アンドリュース氏たち米国からの仲間3人、日本の若者6人と広島入りし、住宅建設を始めた。作業には広島の若者たちも加わり、10月に最初の2棟を市に寄贈。53年までに15棟21戸を建てた。このうち集会所がシュモーハウスに改装され、唯一現存する。

 展示資料はシュモー氏やアンドリュース氏の遺族、作業に携わった人たちが寄せた。同資料館は「私たちと同じ普通の人たちが、被爆した市民のために活動していたと知ってほしい」としている。

 入場無料。12月8日までで。原則月曜休館。企画展のほか、使用した道具などの常設展示もある。資料館学芸課☎082(241)4004。

(2019年9月4日朝刊掲載)

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