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基地安全対策「満足」26% 岩国市民調査 騒音悪化 強い懸念

 岩国市の施策や事業に関する本年度の市民満足度調査で米軍岩国基地の安心安全対策について「満足」と回答したのは26%だけだった。調査31項目のうちワースト5位。同基地への空母艦載機移転に伴う騒音悪化への懸念などが背景にあるとみられ、対策の上積みを求める市民意識が浮き彫りになった。

 調査は市が2015年度から毎年実施。無作為抽出した18歳以上の市民3千人を対象に福祉や観光、交通など7分野計31項目の満足度などを問う。本年度は5~6月に行い、約3割の1025人から回答を得た。

 米軍岩国基地の安全対策を「満足」「やや満足」と答えた人は計26・8%(前年度比0・2ポイント減)にとどまった。割合を31項目で順位付けすると「地域経済の活性化」「農林水産業の振興」などに次いで下から5番目の27位。15~18年度は20位、19位、17位、25位だった。一方「あまり満足していない」「満足していない」とした人も計54・3%(同4・3ポイント減)で2年連続で過半数を占めた。

 艦載機約60機の岩国移転は昨年3月に完了した。調査を実施した今年5月、市が基地南側で測定した騒音回数は10年の滑走路沖合移設後で月別最多に。市に寄せられる苦情件数も月別で過去2番目の多さだった。

 市は基地や国に騒音軽減策などの要望を続け、事件事故の防止へ基地周辺のパトロールも実施。艦載機移転後は基地の情報収集体制の強化や苦情電話の無料化にも取り組んだが、厳しい調査結果となった。

 市基地政策課の村上武史課長は「調査結果をしっかりと受け止め、さらなる安心安全対策に努めたい」としている。(松本恭治)

<米軍岩国基地の安全対策を巡る調査結果>

         満足       不満      満足度順位
2019年度  26.8%   54.3%   27位
2018年度  27.0    58.6    25
2017年度  34.1    49.5    17
2016年度  36.9    43.8    19
2015年度  35.2    44.7    20

(2019年9月6日朝刊掲載)

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