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反核運動の先人知ろう 広島市被害者の会 13日から学ぶ会

 広島市原爆被害者の会は、被爆地広島などで反核運動の先頭に立ってきた先人について学ぶ会を年に数回開催する。核兵器も原発もない世界を目指し、ヒントを探るのが狙い。初回は「原爆1号」と呼ばれた吉川清さん(1986年に74歳で死去)を取り上げ、13日午後1時半から中区大手町3丁目の広島平和会館で開く。

 吉川さんは、広島では初の被爆者組織を結成するなど被爆者運動を担ってきた。原爆ドームの近くで土産物店を開き、観光客にケロイドを見せて原爆の悲惨さを訴えた。そのため、「原爆を売り物にしている」との批判も受けた。

 学ぶ会では、吉川さんと親交の深かった、元原爆資料館長の故高橋昭博さんの妻史絵さんたちを招いて話を聞く。初回は被爆2世を含めた会員と、市が進めている被爆体験「伝承者」たちが中心だが、今後は参加対象を一般にも広げることを検討している。

 2回目以降に取り上げる先人として、日本被団協の初代事務局長、故藤居平一さんや代表委員の故伊藤サカエさんたちを予定している。

 片山春子会長は「被爆直後から反核運動に携わった人について知ってもらい、若い世代へのヒロシマ継承を目指したい」と話している。(増田咲子)

(2013年4月8日朝刊掲載)

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