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北朝鮮の核開発 非難 非核保有国外相会合 共同声明を採択

 日本など核兵器を保有していない10カ国でつくる「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」の外相会合が9日、オランダ・ハーグであった。岸田文雄外相(広島1区)が出席し、核軍縮に向けた新たな提案をまとめた。核・ミサイル開発を続け、挑発的な言動を繰り返す北朝鮮を強く非難する共同声明も採択した。(ハーグ(オランダ)藤村潤平)

 核軍縮の提案は、2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議での合意文書に盛り込まれることを目指した。核保有国が核兵器削減の進行状況を共通の様式で報告することや、国際原子力機関(IAEA)の厳密な査察を核保有国に義務付けることなど6種類の文書を確認した。

 北朝鮮による弾道ミサイル発射の懸念が高まる中、各国の外相から非難が相次いだ。会合後の共同記者会見で、岸田氏は「国際社会にとって深刻な脅威。これ以上の過激な行為を自粛させ、何の利益にもならないという強いメッセージが必要だ」と述べた。

 共同声明では、北朝鮮にさらなる挑発行為を行わないよう自制を求めたほか、イランの核開発にも懸念を表明した。

 また被爆地広島の出身である岸田氏は会合で、自ら発案した「ユース非核特使」制度の新設を表明。若い世代が核被害の悲惨さを訴える取り組みは各国から賛同を得た。来年4月のNPDI外相会合が広島市で開催される意義を訴え、「核兵器のない世界への出発点になる会合にしたい」と強調した。

 同会合は10年から年2回開かれ、今回で6回目。春は参加国、秋は米ニューヨークが開催地となっている。

軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)
 日本、オーストラリア、ドイツ、カナダ、オランダ、トルコ、アラブ首長国連邦、チリ、ポーランド、メキシコの非核保有国10カ国が参加。2010年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で合意した「行動計画」を着実に実行するため、核軍縮に関する具体的で現実的な提案を目指している。

(2013年4月10日朝刊掲載)

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