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北方領土「交渉再開が重要」で一致 日露外相会談

 岸田文雄外相(広島1区)は10日、ロンドンで同日夜(日本時間11日未明)に開幕する主要国(G8)外相会合に先立ち、ロシアのラブロフ外相と初めて会談した。両国の最大懸案である北方領土問題で、交渉再開が重要との認識で一致。挑発的な言動を続ける北朝鮮に対し、G8として断固としたメッセージを打ち出すことでも合意した。 (ロンドン発 藤村潤平)

 会談で岸田氏は「安全保障、経済などあらゆる分野で両国関係を深めるべく努力し、国益につなげたい」とあいさつ。ラブロフ氏は「あらゆる分野で話し合い、協力する用意がある」と応じた。

 安倍晋三首相は4月末に訪ロする方向で調整中。協議が事実上中断している北方領土問題について、両外相は、安倍首相とプーチン大統領の首脳会談が協議再開の始まりとなるよう努力することを確認した。

 北朝鮮が複数の弾道ミサイルを同時発射する可能性があることを踏まえた対応も協議。岸田氏は外相会合で重点的に議論したい意向を示した。ロシア極東や東シベリア地域の開発をめぐる経済協力の在り方も話し合った。

 ロシア外相との会談に先立ち、外相会合議長を務める英国のヘイグ外相とも会談。北朝鮮をはじめとした東アジア情勢を中心に意見を交わした。8日に死去したサッチャー元首相にあらためて弔意を示した。

 10日夕(日本時間11日未明)には米国のケリー国務長官、カナダのベアード外相との会談も予定している。

 外相会合は10日夜、ロンドン郊外でのヘイグ氏主催の夕食会からスタート。実質的な討議は11日に行われる。同会合はG8首脳会議(サミット)の準備のために毎年開催。今年のサミットは6月中旬、英国・北アイルランドのファーマナ州で開かれる。

(2013年4月11日朝刊掲載)

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