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北朝鮮ミサイル 「いつ発射」警戒強化 島根原発の視察中止

 北朝鮮が新型弾道ミサイルを発射する可能性が高まったことを受け、中国地方の自治体は10日、職員が早朝から登庁するなど警戒を強化した。島根、鳥取両県は急きょ、中国電力島根原子力発電所(松江市)の視察を中止した。

 原発視察には、両県と松江市など原発から30キロ圏内にある6市から原子力防災の担当者約30人が参加を予定していた。いずれも危機管理担当を兼ねており、島根県防災部は「ミサイル対応を優先した」と説明した。

 同部では当直担当者に加え、職員4人が午前6時までに登庁し、情報収集に当たった。鳥取県は夜間の当直担当者を1人増やして3人態勢とした。

 広島、山口、岡山の3県も、24時間態勢で災害発生などに備える危機管理部門が警戒を強める。「万が一の事態に備えたい」と広島県危機管理課の宮本隆之課長。土日も数人を臨時出勤させる。岡山県の角田保彦危機管理監は「発射時期や飛行ルートの予告がなく対応が難しい」と話す。

 発射情報を住民に伝える市町。広島市は発射情報が伝われば、防災情報メールや市のホームページで情報を発信する。福山市も、登録者にメールで流す文案を準備。呉市は防災行政無線を点検した。

 中電は島根原発などの警備担当者たちに巡回強化を指示した。ミサイルが飛んだ場合には敷地内に落下物がないかを点検する。「被害が出れば国や自治体に速やかに情報提供する」とする。

 海上自衛隊岩国基地(岩国市)では、レーダーを備えたり電子情報を傍受したりする飛行機が相次いで飛び立った。同基地は「飛行内容は答えられない」とする。滑走路を共用する米海兵隊岩国基地では、正門などに目立った変化はなかった。

(2013年4月11日朝刊掲載)

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