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坪井さんの被爆証言英訳 福山の盈進中高生 文化祭で冊子配布

 福山市千田町の盈進中高で21日、県被団協の坪井直理事長(94)の被爆体験や半生を聞き取った証言集の英語版が初めて披露された。

 同校のヒューマンライツ部が2017年にまとめた「にんげん坪井直」を同部が18年から翻訳を進めていた。約2万字の内容を部員で分担。爆心地約1キロで被爆し生死をさまよったことや「ピカドン先生」と名乗った中学教諭時代などを坪井さんの写真や手描きのイラストと合わせて紹介している。この日始まった同校の文化祭で披露した。

 部長の2年馬屋原瑠美さん(17)によると、「間違いや誇張があっては坪井さんの生きざまは伝わらない」と、翻訳には京都外国語大(京都市)の専門家からアドバイスを受けた。坪井さんに電話で再取材もし、言葉の微妙なニュアンスにも気を配り、完成までに1年半を費やしたという。

 文化祭では部員たちが来場者に冊子を無料で配り、ネット配信に向けて制作をしている英語のホームページも紹介した。馬屋原さんは「被爆者の声を直接聞けるのは私たちが最後の世代。海外の同世代にも分かりやすく発信していきたい」と話している。(井上貴博)

(2019年9月22日朝刊掲載)

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