×

ニュース

「8・6デモ規制を」32% 重ねて静粛要請へ 広島市

 広島市は26日、ことしの8月6日に開いた平和記念式典の参列者にデモの音の規制の是非について尋ねたアンケート結果を受け、近くあらためてデモ団体に文書で静粛の確保を要請する考えを示した。条例などでの規制を求める回答が約3割にとどまり、重ねて要請した上で規制に踏み込むかどうかを判断するとした。

 アンケート結果を公表した市議会総務委員会で、政氏昭夫市民局長が「要請が聞き入れられるなら法規制の必要はない。状況の変化が望めないなら改善の方法を考えなければならない」と説明。引き続き条例の制定も視野に入れ、来年の被爆75年の式典に向けて年内に市の対応方針をまとめる考えを示した。

 委員からは、条例でデモの音を規制した場合「表現の自由」の制限につながる懸念があるとして「調査結果は規制条例を制定する根拠としては十分ではない」との意見が出た。

 アンケートは中区の平和記念公園であった式典参列者のうち1098人が回答。最多の42・7%が「関係者に対する要請や話し合いを続けるべきだ」とした。「条例などで音量を規制する措置を講ずるべきだ」は32・7%だった。

 市は式典会場内と周辺でデモの拡声器の音量を測定した結果も示した。デモ行進のルート近くの元安橋などでは最大106デシベルを記録。一方、同時に計測した式典会場内は60デシベル程度で司会者のアナウンスの声(最大約85デシベル)よりも小さく、デモの音を識別することはできなかった。政氏局長は「人の認知と測定数値は必ずしも一致しない。どの程度の音なら式典に影響しないのか考える」と述べた。(永山啓一)

(2019年9月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ