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北朝鮮非難の声明採択 G8外相会合 挑発的行為に警告

 ロンドンで開かれた主要国(G8)外相会合は11日、核開発や弾道ミサイル発射の動きを続ける北朝鮮を「最も強い言葉で非難」する議長声明を採択した。議長のヘイグ英外相は会合後の記者会見で「ミサイル発射や核実験があれば重要な追加措置を取ることで一致した」と述べ、制裁強化を図る方針を示した。 (ロンドン発 藤村潤平)

 声明では、北朝鮮に対し、過去の国連安全保障理事会の決議を順守するよう要求。挑発的行為はさらなる孤立を招くと警告した。

 ロシアを含むG8が結束して強いメッセージを打ち出したことで、東アジアの緊張緩和を求める立場が明確になったが、北朝鮮の反発は必至だ。

 議長声明ではこのほか、核兵器のない世界にする条件を整えていく意思を確認した、と明言。大量破壊兵器とその運搬手段が大きな脅威と断じた。

 また、拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害に懸念を示し、解決に向けた取り組みを強化する必要性も強調。イランの核問題にも懸念を示した。

 今回のG8外相会合には、岸田文雄外相(広島1区)が出席した。会合に先立ち、米国やロシアなど5カ国の外相と相次いで会談。被爆地広島出身の外相として核軍縮・不拡散に関する日本の立場を説明し、北朝鮮問題での緊密な連携を各国に呼び掛けた。

対北朝鮮 断固たる対応 日米外相、緊密連携で一致

 岸田文雄外相(広島1区)は10日夕(日本時間11日未明)、ロンドンでの主要国(G8)外相会合に先立ち、米国のケリー国務長官と懇談した。ミサイル発射の構えをみせる北朝鮮に対して日米が緊密に連携し、断固たる対応を継続していくことで一致した。

 岸田氏は「挑発行為が何ら利益にならないことを北朝鮮に理解させる必要がある」と強調。ケリー氏も「金融面での制裁をしっかりやる必要がある」とし、ともに現在の制裁が効果的との認識を示した。

 北朝鮮の核問題についても議論した。核兵器の原料となるプルトニウムの製造が可能な寧辺(ニョンビョン)の黒鉛減速炉(原子炉)を再稼働させると表明したことに対し、岸田氏は「極めて憂慮する。引き続き日米で緊密に連携したい」と表明。ケリー氏は「日米で北朝鮮の非核化をしっかり議論したい」と述べた。

 イランの核開発をめぐって、ケリー氏は「原油の輸入制限など日本の努力を高く評価したい」と言及。岸田氏は「国際社会と引き続き協調し、核開発に対して圧力をかけ続ける」と応じた。

 岸田氏は、続いてカナダのベアード外相と会談。ベアード氏は北朝鮮問題に関し「日本の立場を支持する」と述べた。ケリー氏はG8外相会合に参加した後、日本、中国、韓国を歴訪する。日本を訪れるのは14、15の両日で安倍晋三首相、岸田氏と個別に会談する。

(2013年4月12日朝刊掲載)

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