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NPT準備委に被爆者派遣へ 広島県原水協

 広島県原水協は11日、スイスのジュネーブで22日開幕する核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会に合わせて、広島で被爆した佐久間邦彦さん(68)=広島市西区=を現地に派遣すると発表した。日本原水協の代表団の一員として、ジュネーブ大などで核兵器の非人道性を訴える。

 佐久間さんは9カ月の時、爆心地から約3キロ離れた己斐町(現西区)の自宅で被爆。母に背負われて逃げる際に「黒い雨」を浴びた。小学生の時に腎臓と肝臓を相次ぎ患ったという。

 広島市役所で記者会見した佐久間さんは「母親たちから聞いた被爆の実態を伝え、核兵器は廃絶する以外ないと訴えたい」と話した。24日に準備委の「非政府組織(NGO)セッション」を傍聴。25日にジュネーブ大で被爆の実態を語る。

 日本原水協の代表団17人は、広島で被爆した日本被団協の藤森俊希事務局次長(69)=長野県茅野市=とともに、20~29日の日程でジュネーブを訪問。準備委会場の国連欧州本部などで被爆の惨状を伝えるパネル展を開く。(岡田浩平)

(2013年4月12日朝刊掲載)

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